CCMとは、コンピューターカラーマッチング Computer Color Matching の略称で、主に分光光度計とコンピューターで構成された自動調色システムです。目的色の計測結果からその色と同一色を得るための処方を計算したり、処方から発現される色を計算します。自動車を中心とした工業製品の外装塗色の処方計算の他、塗料メーカーの製造現場におけるバッチ修正や品質管理などに使われています。
工業製品におけるカラーデザインの重要性は日々増しており、様々な着色材料や塗装方法が開発されています。たとえば自動車の外装塗色の場合は、複雑な光学特性を有するメタリック・パール色が汎用されており、塗装方法には2-コート、3-コート、ソリッド、キャンディートーンなどがあります。色彩表現が高度になるに従い、調色難度も高まります。弊社のCCMシステムは、主に調色難度の高いメタリック・パール色を対象としたものでマルチアングル分光光度計、イメージ計測機、及びコンピューターで構成されています。本システムの計算モードは、2-コート、3-コート、ソリッド、更にそれらのバリエーションを含む合計8種のコーティングタイプに対応しており、ほとんどの外装塗膜のCCMが可能です。
また、修正計算では、ラボ用途に加えて現場用途のバッチ修正機能を備えています。特に、バッチ修正機能では、調色材料のロスを抑え、コストダウンだけでなく環境負荷の軽減まで配慮した合理的な修正計算を行います。
弊社のCCMシステムでは、調色材料(Color Appearance Material)を下記の4つのカテゴリーに分類し、これらの組合せにより処方を計算します。
- 着色顔料(Absorption Pigment)
- メタル性光輝材(Metallic Effect Pigment)
- パール性光輝材(Pearlescent Effect Pigment)
- フロップ感調整材(Flop Control Agent)
4つのカテゴリーに分類された調色材料は、基礎データとして登録されます。下図はメタル性光輝材とパール性光輝材の基礎データダイアログです。
高精度なCCMを実現するためには、正確かつ詳細な基礎データが必要です。弊社のCCMシステムでは、各調色材料の質感までを含む詳細なデータが登録されます。
弊社のCCMシステムでは、まず目的色をマルチアングル分光光度計とイメージ計測機で計測します。得られた分光反射率及び画像データがコンピューターに転送されると、登録されている基礎データに基づき処方計算及び修正計算が行われます。
CCMの結果は、データベース化されます。登録されたデータは、セルフラーニング機能により次回以降のCCMに反映されます。したがって、CCMの実行回数の増加とともにCCMの精度も上がります。